「多文化共生のための全国特別支援学校ESDフォーラム2017」が8月25日(金)午後、名古屋市中村区の独立行政法人国際協力機構(JICA)中部国際センターで、全国の特別支援学校関係者ら約70人が参加して開催されました。各校の特色を生かしたESD活動を支援する事業で、ESDコンソーシアム愛知(代表機関・中部大学)が主催、愛知県内特別支援学校ユネスコスクール主管、日本ユネスコ国内委員会、愛知県教育委員会、名古屋市教育委員会、公益財団法人ユネスコ・アジア文化センター(ACCU)、ユネスコスクール支援大学間ネットワーク、中日新聞社、教育新聞社が後援。
開会あいさつに続いて、黒田一雄・早稲田大学大学院教授が「途上国における障害と教育―ESD/SDGsへの貢献可能性」と題して講演されました。黒田教授は、現状について「世界の未就学児童は1億1500万人で、その内の4000万人が障害児」とした上で、「インクルーシブ(包摂)教育は現実的でコストがかからず、ESDなどに大きな貢献をする可能性がある」などの内容を話されました。
講演の後のシンポジウム「特別支援教育とESD」では、千葉県、新潟県、広島県、徳島県、愛知県の各特別支援学校ユネスコスクール9校の教員が、「環境」、「交流と共同」、「ESD取組」の3つの切り口から、それぞれの学習と成果、課題などを報告がありました。文部科学省初等中等教育局の丹野哲也視学官、湯浅恭正中部大学現代教育学部教授から「地球環境問題も自分たちの問題であることを子供たちに理解してもらうよう努めてほしい」などの助言がありました。
最後に、報告を受けて文部科学省の鈴木規子国際統括官補佐が講評を行い、「ESDは重要な実践活動であること。ユネスコスクールとして世界中のネットワークに参加しているという意識を持って、主体的に行い、情報発信を心がけてほしい。」などの提言がありました。
閉会後、JICA内のカフェで懇親会が行われ、参加者らは積極的に情報を交換して、今後のESD活動に話題が集まっていました。